入社してすぐに取りかかったのは某省庁が使用するセダンの電気自動車で、先日テレビを見ていたらまだその車が使われているらしく驚きました。
電気自動車シリーズは今後リリースされる車種の原型となったもので、大きなものは川崎市や横浜市のゴミ収集車の電気自動車も手掛けました。
しかし、僕自身は研究室での専攻が燃焼だったので、正直なんでモーターで動く自動車の開発せなあかんねん~と思ったものです。
あ、そうそう こんな車も関わりましたwww
社内ではレースカーなどの開発も行っており、当時ル・マンやデイトナで活躍し優勝までしていました。
デイトナで優勝した時のエンジン担当が社員寮で同室だったYさんで、いろんな裏話を聞いては憧れ、自分の仕事とは関係ないくせにベンチテストに入浸り、エンジン設計の資料などを読み漁っていました。
新入社員だったので、仮に怒られるような事があっても失うものは無いも同然で、別に出世なんかには興味が全く無かったのでやりたい放題で、人事課に目を付けられてもお構いなしに色々な部署に勉強しにいっていました。
そうすると、エンジン関係の部署や開発関係の部署から声が掛かる様になり、いきなりの転部!
そこで、一気にいろんなメーカーの車に携わる事になります。
国内的には敵対企業の車両のレストアや改造などもやっていましたし、フォードやシボレーといったメーカーの車両も改造しました。あ、宮内庁もやったなぁ。
その中でも最も企業としてお付き合いが深かったのが、対外的には意外かもしれませんがイタリアのザガート社で技術交流も盛んでした。
それまで高根の花だったイタリア車に触れて行くと、あまりにも脆弱な造りに愕然としたものです。
当時結構新し目のフェラーリの328ですらフレームの細さには本当に驚いたものです。
外観のふくよかなイメージからは程遠い華奢なフレーム。
そう!ガリガリのモデルにパットの入った服を着せているかのような感じです。
ブレーキも全然駄目!
昔の逸話にフェルッツィオ・ランボルギーニの愛人に乗せたフェラーリのクラッチのの話が有りますが、クラッチよりもまずボディー補強でしょ!ブレーキでしょ!と言いたくなるような性能です。
しかし、そんなマイナス要素を掻き消すのがエンジンフィールでありサウンドです。
ランボルギーニのそれとは全く違う細く甲高いエンジンサウンドは最高でした。
当時の348中古でも2000万の時代に355の新車が確か2000万を切る価格で出たので、コツコツ貯めれば中古でいつかは買えるな~と思い、フェラーリ貯金を始めました。
しかし、当時関東の湾岸線や環状線で暴走している先輩に影響され32のGTRにもう一度乗る事になりなったのですが、GTRに乗っちゃうとフェラーリの魅力も色褪せてきます。
フェラーリはデザインだけだな~と本気で思うようになっていました。
さらには谷田部というテストコースで最高速の測定などを行う事に嵌り、そこでF40なども見たのですが、雑誌で絶賛しているF40も体力測定するとストック状態では全然です。
しかし、先日599の記事を見てビックリしました。
いや、エンツォの時にも驚きはしたのですが、正直あのデザインは美しいとは言い難く、FXXも興味は湧かなかったのですが599XXは違います。
女性のような綺麗な曲線。ウイングの末端の処理まで実に綺麗です。
しかも!
ニュルブルックリン オールドコースを7分切ったそうです!
これは凄い!
おそらく、このタイムをはまたいつか塗り替えられると思いますが、その為にはテストドライバーの命を幾つか必要とするかもしれない位のタイムです。
まぁ、お値段は到底手の届く価格では有りませんが、しかしこの車は完璧だと思うのは僕だけではないはず。
イタリア人の感性なのかイタリアの景色が自然とこのデザインを生み出すのか、少なくとも日本の企業には生み出せないモノがここにあります。
Ferrari 599XX Track release in Valencia from GTspirit on Vimeo.
さて、見ていて気持ち良いフェラーリの次は聴いて気持ち良いものの紹介です。
この動画はクロアチアのサダルにある”Sea Organ”です。
海の波の力と風の力でパイプに空気を送り込み勝手に音が鳴っているのですが、休日の涼しい風を感じながら聴いてると癒されますよね~
中国の万博もこの音源使えば著作権なんて関係なかったのにね~
あ、今度は地球が怒って天災が起こるか!?w