2011年9月2日金曜日

昨日のカンブリア宮殿は考えさせられたなぁ



昨晩放送された古民家から出る古材の再生をテーマにした番組 カンブリア宮殿。
古材倉庫グループの井上代表の話は非常に面白かった。

実は昨日約15年住んだ家の鍵を不動産屋へ渡した事もあって、家に帰ってビール飲みながらこの番組をしみじみと見ていた。

実は15年住んだ家というのは鉄骨ALCで、ほぼ自ら設計した家だった。

大学、自動車メーカーでの経験から、断熱構造を積極的に入れて、造ったつもりだった。

もちろん強度は充分過ぎる程の強度を持たせたのだけど、家というのは数字だけじゃないというのを実際に住んでみて実感する事が多々あった。

特に屋根の熱気の処理と、湿気の対策。
これは思いのほか難しいものだと感じたし、強度構造にならないように設計した壁等の劣化というか、歪が細かく見ると出てきた事。

設計としての大筋は間違ってなかったとは思うけど、人が住んで四季を感じ過ごしやすい家かと言えば決してそうではなかった。

で、一度日本建築の木造の家に住んでみようと引っ越してみた訳だけど、これが中々良い住み心地。
束柱からの換気は風の通り道を良く考えて作ってあるし、建てた方の拘りが随所に見えて面白い。

そこで、昨夜の古材倉庫の井上さんの話だけど、木材というのは切り出してから約100年かけて強度を増して、600年程掛けて劣化して行くモノなんだと。
だから、イギリスやアメリカ、オーストラリアの家の平均寿命はどこも100年を超えて住み続けられている。
さらには家を建てると言うのは少なくとも3代はその地に住む事を意味すると。
しかし、日本の今の建築方法での家の平均寿命は鉄骨も木造もほぼ30~35年。しかも、柱や梁は新材を使うものだから木が強度材として生きてくる前に取り壊して捨てられていて、こんなに建築技術、職人の技術のある日本でこの実情は間違っているんじゃないか。

プレカット工法が当たり前になって、大工は鋸もノミも使わなくなったことが加速して、今の時代に古材を生かす大工も減っり、伝承する技術も伝えられなくなって来たこの時代に古材の流通を開拓し、職人を育て家を建てるという井上さんの話はなかなかに感動すら覚えた。

家は3回建ててやっと納得できるものが建つそうです。
最近その意味がなんとなく分かってきました。

次の節目はあと17年後に迎える60歳の時。
その時には是非とも古材をふんだんに使った木造建築の家をもう一度自ら図面引いて建ててみたいと思います。

しかし、木の強度計算ってどうやれば良いのかなぁ?

1 件のコメント:

  1. 僕も観た

    職人って凄いな~との思いと、井上さんの志は高いな~と感じた

    2号の言うとおり、欧米では100年は住むのが普通で、日本の住宅事情が情けなくなります。

    欧米での大工の需要は多く、地位も年収も高い
    銀行員なんかより高い年収を稼ぎ、仕事にプライドを持っている大工に、ドイツでは子供がなりたい職業1位だそうです。

    職人って凄いよね~

    返信削除